NK細胞
(ナチュラルキラー細胞、Natural Killer Cell)
NK細胞は体内での第1の防御機構(自然免疫)を代表する免疫細胞です。
NK細胞は異常な細胞をキャッチすることができる様々な受容体をもっているため、
がん細胞やウイルスに感染した細胞などの異常な細胞を自らキャッチし、即時に除去します
よって、予め抗原に感作されることなくがん細胞やウイルス感染細胞を殺傷することができるリンパ球集団なのです!
樹状細胞はがん細胞を攻撃する免疫細胞にがん抗原を教えてくれる役割があります。
しかし、がんにかかると、がんが作る免疫抑制物質のせいで、樹状細胞が正常に働けなくなります。
そのため、攻撃部隊が活動できなくなります。
NK細胞はこの問題に対処し、がんによる樹状細胞の働きを正常に戻します。
がん予防に最適な治療法です!
6つの働き
- 樹状細胞の成熟化
- 免疫システム全体を活気づける
- がんを直接攻撃もする
- 免疫抑制の解除
- がんへの血管生成を抑制
- 長期の免疫記憶
■ NK細胞を活用した研究分野
免疫系統のバランスが正常でないと様々な疾患が発生する可能性が高くなります。
NK細胞の機能が弱くなると、外部感染に対して脆弱になり免疫バランスを維持しにくくなります。
NK細胞は抗がん効果だけでなく、正常な免疫システムの維持にも役立つため、
様々な分野でNK細胞の研究が行われています。
がん
胃がん,乳がん,前立腺がん,膵臓がん,大腸がん,肺がん,肝臓がん,卵巣がん,子宮頸がん,血液がん など
老化と感染症
帯状疱疹,アルツハイマー病,老人性疾患,ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症,エイズ(HIV)感染症,慢性肝炎 など
自己免疫疾患
糖尿病,関節リウマチ,炎症性腸疾患(IBD),全身エリテマトーデス(Lupus),多発性硬化症 など
その他
ストレス,慢性疲労,アンチエイジング など
■ NK細胞活性化及び殺傷メカニズム
NK細胞は、特定の抗原がなくても、細胞表面の受容体のシグナルによって活性が調節されます。
通常の細胞はMHC Class I を持ち、NK細胞はこれを認識して抑制されます。
しかし、がんや感染によってMHC Class I が減少すると、NK細胞は活性化され、異常な細胞を攻撃して排除します。 活性化したNK細胞は、顆粒物質を作って異常な細胞を攻撃します。また、サイトカインやケモカインという物質を放出して、
樹状細胞と連携し、後天性の免疫細胞を活性化させます。